アツイちゃんとサムイちゃん

  • 2019.11.01 Friday
  • 14:32

JUGEMテーマ:ひとりごと

 

 

一〇ねんくらい むかしの おはなし。

アツイやまの アツイちゃんと サムイじまの サムイちゃんが、

このちきゅうの どこかふしぎな ところで くらしていました。

アツイやまには アツイちゃんだけが、サムイじまには サムイちゃんだけが すんでいました。

 

アツイちゃんは ねてもさめても、アツイ、アツイ、と Tシャツと はんズボンすがたで、

ハンモックのうえで ゆらゆら、ゆらゆら、ねそべっていました。

 

サムイじまでは、サムイちゃんが、いちにちじゅう、セーターと マフラーと わたいりズボンで

こたつにもぐって ぶるぶる、ぶるぶる、ふるえて いました。

 

アツイちゃんは ひとりぽっち。

はなしあいては みんみんゼミたち。

アツイやまの アツイちゃんは アツイやまの みんみんゼミたちと おはなしができました。

でも。

アツイちゃんは こんちゅう じゃない、ひとの おともだちが ほしいなと、ふと おもいました。

 

サムイじまの サムイちゃんも ひとりぽっちで、

なかよしの ネコたちのほかにも、どうぶつじゃない、ひとの おともだちが できたら、どんなに たのしいだろうと おもいました。

 

その つぎの ひ。

アツイちゃんは たびに でる けついをし、Tシャツと はんズボンで せんぷうきに ふかれながら、

てくてく、てくてく、あるき はじめました。

 

ちょうどおなじ ひ、サムイちゃんも、たびに でようと、セーター、マフラー、わたいりズボンで こたつをせおって、

てくてく、てくてく、あるき はじめました。

 

ふたりの たびの もくてきは ただひとつ。−−−−−−ひとの おともだちを さがすため。

 

アツイちゃんは たらたら、たらたら、あせを かきながら、アツイ、アツイ、フーフー。

それでも てくてく、てくてく、あるき つづけました。

 

サムイちゃんは ぶるぶる、ぶるぶる、ふるえながら、サムイ、サムイ、ひゃーひゃー。

それでも てくてく、てくてく、あるき つづけました。

 

よるが きて、アツイちゃんは おへそをだして ハンモックに よこたわり せんぷうきに ふかれながら、

ほわほわ、ほわほわ、ゆめの なかへと おちていきました。

いっぽう、サムイちゃんは マフラーも はずさず こたつへ もぐって、

ほわほわ、ほわほわ、ゆめを みながら ねむりに つきました。

 

そして また あさが きて、ふたりは てくてく、てくてく あるき、

よるが きて、ふたりは ほわほわ、ほわほわした ゆめを みながら ねむりました。

 

そして あさが きて、よるが きて、また あさが きて、よるが きて。

1かげつ くらい、てくてく、あるいた でしょうか。

アツイちゃんと サムイちゃんが、ばったり!と であったのです!

 

「やあ!きみ!ぼくは アツイちゃん。きみは?」

「こんにちは、アツイちゃん!わたしは サムイちゃんと いいます。」

 

ふたりは あくしゅを して、「よろしくね。」をいいました。

 

アツイちゃんは ふしぎに おもいました。

なぜ、サムイちゃんは そんな あつい かっこうを しているの?と。

サムイちゃんも ふしぎに おもいました。

なぜ、アツイちゃんは そんな さむい かっこうを しているの?と。

 

ふたりは しんせつだったので、やさしく してあげようと おもいました。

 

「ねぇ、サムイちゃん。アイスクリームだよ。とっても すてきな あじが するから、たべてみなよ。」

アツイちゃんは そういって アイスクリームを サムイちゃんに あげました。

 

「ねぇ、アツイちゃん。おなべ だよ。とっても すてきな あじが するから、たべてみなよ。」

サムイちゃんは そういって おなべの なかみを おわんに とって、アツイちゃんに あげました。

 

「ひゃー!サムイ、サムイ、なにしてくれるの!?」

「ふー!アツイ、アツイ、なにしてくれるの!?」

 

ふたりは おこって ケンカを してしまいました。

 

「きみって、いじわる だったんだね!」

「きみこそ、いじわる だよ!」

「もう、わたしは、サムイじまへ かえるからね!」

「もう、ぼくも、アツイやまへ かえるからね!」

 

ふたりは、ぷんぷん、ぷんぷん、とおこりながら、

もときた みちを どたどた、どたどた、あしを ならして かえっていきました。

 

「あんなやつ!もう しらない!」

「あんなやつ!もう いい!」

ふたりは ほんとうに かなしくて、なみだを ぽろぽろ、ぽろぽろ、ながしながら、とぼとぼ、とぼとぼ、あるいて ふるさとに とうちゃく しました。

 

アツイやまの アツイちゃんは みんみんゼミたちにも わかる かんたんな おはなしをして すごしました。

でも。みんみんゼミたちは、アイスクリームが たべられません。とんで にげて いきました。

 

サムイじまの サムイちゃんは ネコたちに わかる かんたんな おはなしをして すごしました。

でも。ネコたちは おなべを たべてくれませんでした。くちに いれようとも してくれませんでした。

 

アツイやまの アツイちゃんは サムイじま のサムイちゃんのことを おもいだしていました。

サムイじまの サムイちゃんも アツイやまの アツイちゃんのことを おもいだしていました。

 

「サムイちゃんは、サムイじまの おはなしを してくれたな。」

「アツイちゃんは、アツイやまの おはなしを してくれたな。」

「たのしかったな。もう、おなべは イヤだけど。」

「たのしかったな。もう、アイスクリームは イヤだけど。」

 

ふたりは なんだか とっても さみしくて、たのしい おはなしが したくて、なみだを ぽろぽろ、ぽろぽろ、ながしながら

ほわほわ、ほわほわした ゆめを みました。

 

その つびの ひ。

アツイちゃんは サムイちゃんに あいに いこうと けっしんし、

サムイちゃんも アツイちゃんに あいに いこうと けっしんしました。

 

「サムイちゃんには アイスクリームの シチューを あげよう。シチューだったら、たべてくれるかも しれない。」

「アツイちゃんには おなべの かきごおりを あげよう。つめたくなった おなべだったら、たべてくれるかも しれない。」

 

ふたりは てくてく、てくてく、あるきました。

アツイちゃんは サムイちゃんの きにいるような あついものを たくさん、たくさん、あげようと おもいました。

サムイちゃんは アツイちゃんの きにいるような つめたいものを たくさん、たくさん、あげようと おもいました。

 

ふたりとも、はやく あいたくて しかたがなく、

テクテクてくてく、テクテクてくてく、こばしりに あるいて いきました。

 

あした くらいかな、あえるのは。

そう おもって ふたりは、ほわほわ、ほわほわしながら、ねむりに ついて・・・。

 

つぎの ひ、ふたりは、また あえて、

とっても うれしく なりました。

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